資産2,600万でも無敵になれない?「FI会社員」の現実と私が完全FIREを目指す理由

FIREへの道

こんにちは!ぶんです。

朝晩はめっきりと冷え込む日が増えてきましたね。外の冷たい空気とは裏腹に、私はぬくぬくとした部屋の中で淡々と在宅ワークのタスクをこなし、週末は時間を気にせずゲームの攻略を進めるという、相変わらずマイペースな引きこもり生活を送っています。

ブログでも定点観測を続けている通り、私の総資産は現在2,600万円台を維持しています。

FIREの目標額である5,000万円に対して、ちょうど折り返し地点を過ぎたあたりです。机上の計算で言えば、2,600万円もあれば年間支出を極限まで抑えた生活なら約10年近くは生き延びられますし、運用を続ければその期間はさらに延びます。投資やFIREの本を読めば、決まって「資産が2,500万円〜3,000万円を超えれば、生活費数年分〜十数年分の防壁ができるため、『嫌なことがあったらいつでも辞めてやる』という精神的自由(FI=経済的自立)が手に入り、会社員としても無敵になれる」といった心地よい理論が語られています。

さらに最近のFIRE界隈を見渡してみると、実にリアルな声が耳に入ってきます。例えば、資産を5,000万〜6,000万円近くまで貯め、FIRE達成目前になった途端に「会社の給与のありがたみや仕事の気楽さに気づき、わざわざ辞めずに会社員のままでいい気がしてきた」と踏みとどまる人。あるいは、念願の早期退職を果たしたものの、会社を辞めた後に襲ってきた「圧倒的な暇」「社会との断絶による孤独」、そして「毎月の給与が途絶えて資産を削りながら生きる恐怖」に耐えかねて、「正直FIREして後悔した、会社員に戻りたい」とこぼす人たちです。

「会社員として無敵のメンタルを手に入れて気楽に働く」のも、「FIRE直前に思い直して安定給与にしがみつく」のも、どちらも非常に合理的で魅力的な選択肢に見えます。

……では、実際に総資産2,600万円に到達した私自身は今、その「嫌ならいつでも辞められる無敵の境地」にいるのでしょうか?

答えは、完全に「NO」です。

2,600万円あっても、明日会社で理不尽なトラブルがあれば普通に胃が痛みますし、「嫌なら今すぐ辞表を叩きつけてやる!」なんて度胸は1ミリも湧いてきません。理論と現実のメンタルの間には、想像以上に分厚い壁が立ちはだかっています。

では、なぜ「無敵のFI会社員」にもなれず、早期退職者の後悔のリアルも知っている私が、それでも立ち止まることなく「5,000万円での完全FIRE」を目指し続けているのか?

資産2,600万円の会社員が抱える等身大のリアルな心理と、私が雇われの身を卒業したい明確な理由について、本音をお話ししたいと思います。

理論上の「FI会社員」と、現実の「2,600万円会社員」の大きな壁

FIREや資産形成の解説記事を見ていると、たまにこんなロジックを目にします。

「年間生活費が250万円の人なら、資産2,500万円に到達した時点で10年分の生活費が確保できたことになる。これだけの防壁があれば、上司に理不尽に怒られても『最悪、明日辞めても10年は生きられるしな』と心の中で高笑いできるようになり、会社員としてのメンタルは無敵になる」

私自身、資産がまだ数百万円だった頃は、この手の話を読んで「2,500万円を超えたらどんなに心が軽くなるんだろう」と胸を躍らせていました。

しかし、実際に資産2,600万円を超えた当事者として言わせてもらうと、現実はそんなに甘くありません。

2,600万円あっても、普通に仕事のトラブルで胃は痛む

確かに、通帳や証券口座を開けば「2,600万円」というまとまった数字が並んでいます。数字の上では、実家暮らしで支出を極限まで抑えている私の生活なら、十数年は無職で生き延びられる計算です。

しかし、平日の業務中に厄介なトラブルが発生したり、締め切りに追われたり、社内の調整で気を使わなければならない場面に出くわすと、普通に胃のあたりがズーンと重くなります。

「私には2,600万円あるからノーダメージです」なんて境地には、1ミリも至っていません。

会議で理不尽な空気が流れれば当たり前のように愛想笑いを浮かべますし、自分の担当タスクでミスが出ないように細心の注意を払って神経をすり減らしています。「嫌ならいつでも辞表を叩きつけてやる!」なんて強気なメンタルは、どこを探しても見当たりません。

なぜ「10年分の生活費」があっても無敵になれないのか?

頭では「生活費10年分」と分かっていても、なぜ心は無敵化してくれないのか。その理由は、実際にこの金額を持ってみて初めて分かりました。

  • 「10年生きられる」は「一生安泰」ではない
    10年というのは長いようでいて、人生スパンで見れば一瞬です。もし今勢いで辞めてしまい転職がうまくいかなかった場合、30代・40代のうちに資産が底をつき、その時には「職歴に長いブランクがある無職」として労働市場に放り出されるリスクが頭をよぎります。完全に逃げ切れる確証がない以上、防壁としてはまだ心もとないのです。
  • 積み上げた資産を減らすことへの本能的な抵抗
    何年もかけて支出を削り、相場の荒波に耐えながら、毎月コツコツと入金して積み上げてきた2,600万円です。インデックス投資を続けてきた人間にとって、証券口座の残高や投資信託の口数は「増やしていくもの」として完全に脳に刷り込まれています。そのため、これを「嫌な仕事から逃げるための生活費」として自ら取り崩し、右肩上がりのグラフを自らの手で右肩下がりに反転させていく行為は、想像するだけで強烈な心理的苦痛を伴います。「使えば減る」という当たり前の現実に直面した瞬間、頭の中の計算式とは裏腹に、ブレーキを踏んでしまう本能的な抵抗が働いてしまうのです。
  • 「強制的な人間関係」から完全に降りられないもどかしさ
    私がFIREを目指している最大の原動力の一つは、「会社という組織に縛られた、逃げ場のない強制的な人間関係をきれいに断ち切りたい」という点にあります。しかし、2,600万円の段階ではまだ会社員を卒業することはできません。所属している以上、気の合わない人とのやり取りや、社内調整、会議での不要な忖度といった人間関係のコストを支払い続ける必要があります。「会社員を続けている限り、最も手放したいストレスから解放されることはない」と分かっているからこそ、口座にお金があっても心からの無敵感は得られないのです。

理論上の計算式の上では「FI(経済的自立)会社員」に見えても、生身の人間のメンタルはそこまで簡単にバグってくれません。

資産2,600万円という立ち位置は、「明日辞めても平気な無敵のステージ」などではなく、「会社員のプレッシャーや将来の不安を依然として抱えながら、それでも以前よりは少しだけ息継ぎがしやすくなった」という程度の、極めて現実的で地道な通過点にすぎないのです。

FIRE界隈でよく聞く「会社員に戻りたい人」と「会社員のままでいい人」の心理

「2,600万円持っている自分自身が、まだ全く無敵になれていない」という現実がある一方で、世間のFIRE界隈に目を向けると、非常に示唆に富む2つのリアルな声が聞こえてきます。

それは、「FIREしたけれど後悔して会社員に戻りたがっている人」と、「FIRE目前まで資産を貯めたのに、会社員のままでいいやと思い直した人」の存在です。

ケース1:念願の早期退職を果たしたのに、会社員へ戻りたくなる人たち

何年も必死に蓄財し、晴れて会社を辞めて自由を手に入れたはずの人たちが、なぜわずか半年や1年足らずで後悔し始めるのか。その理由は、実際に退職した人が直面する「想定外のリアル」にあります。

  • 「自由という名の不自由」と圧倒的な暇: 退職直後の数ヶ月間は、目覚まし時計をかけずに起き、平日の昼間からサウナやカフェに行き、やりたかったゲームや映画を心ゆくまで満喫する「天国」を味わえます。しかし、日常のルーティンや明確な目的がない場合、その自由はやがて「今日は一体何をすればいいんだろう……」という虚無感や退屈へと反転します。
  • 会社という「強制的な居場所」を失う孤独: 会社員時代はあれほど煩わしかった職場の人間関係も、いざ完全に遮断されてみると、自分を社会と繋ぎ止めるアンカーの役割を果たしていたことに気づかされます。平日の昼間に世間がせわしなく動く中、ポツンと一人取り残される感覚や、肩書きを失って「自分が何者か分からない」というアイデンティティの揺らぎに耐えきれなくなるケースです。
  • 「減っていく資産」を見つめ続ける恐怖: 会社員時代は相場が下がっても「来月また給料が入るし、安く買えるバーゲンセールだ」と前向きに捉えられていました。しかし、給与収入がゼロになった瞬間、お金のベクトルは「増やすゲーム」から「資産を削りながら生きるゲーム」へと強制的に切り替わります。相場急落で資産が数百万円単位で目減りする恐怖と、毎月の生活費の支払いで確実に残高が減っていくプレッシャーに心が削られ、「給与という安定したキャッシュの補充」を求めて再就職したくなるのです。

ケース2:FIRE直前まで来て「会社員のままでいいのでは?」と思い直す人たち

もう一つのパターンは、目標額(5,000万〜6,000万円近く)まで資産を積み上げ、いつでも辞表を出せる直前まで来た段階で、「わざわざ会社員を辞める必要はないのでは?」と考えを改める人たちです。

  • 経済的余裕が、皮肉にも「仕事のストレス」を消し去る: 「最悪、いつ辞めても一生生きていける」という水準まで資産が積み上がると、会社への依存心が完全に消滅します。すると、出世競争や社内政治、ミスへの過度な恐怖といったプレッシャーから自然と解放され、肩の力を抜いて気楽に仕事に向き合えるようになります。結果として「あれ、昔ほど仕事がきつくないぞ?」という逆転現象が起きるのです。
  • 「会社員のコスパの良さ」を再認識する: 仕事のストレスが激減すると、今度は「会社員という身分の圧倒的なメリット」がクリアに見えてきます。毎月勝手に振り込まれる安定給与、社会保険料の労使折半、厚生年金、有給休暇、そして社会的な信用。これらを手放してまで完全な無職になる経済的・精神的リスクを天秤にかけ、「適度に手を抜きながら会社員を続け、資産をさらに膨らませる方が賢いのではないか」という結論に至るわけです。

「FI会社員」こそが現代の最適解に見えるけれど……

こうして両者の声を見ていくと、「会社を完全に辞めずに、資産の安心感を抱えながらゆるく会社員を続ける(FI会社員)」ことこそが、最もリスクが低く、精神的にも安定する人生の最適解のように思えてきます。

早期退職して孤独や資産減少の恐怖に震えることもなく、かといって昔のように仕事で追い詰められることもない。確かに、これ以上ないほどスマートな生き方に見えます。

しかし、これらの葛藤や「会社員のままでいる合理性」を痛いほど理解した上でも、私自身の結論は揺らぎません。

今のところ私はこの先、資産が3,000万、4,000万と増えて仕事のプレッシャーがさらに軽くなったとしても、会社員という立場に留まるつもりはありません。やはり目指すべきゴールは、迷うことなく「5,000万円での完全FIRE(退職)」です。

それでも私が「完全FIRE(退職)」を目指す明確な理由

「会社員のままでも気楽に働ける」「退職しても暇や孤独で後悔するかもしれない」。そうしたリアルな現実を踏まえた上で、なぜ私は「会社員を続ける」という選択肢を選ばず、5,000万円での完全FIREにこだわり続けるのか。

理由はシンプルで、「私が人生で最も取り戻したいもの」と「FIRE後に多くの人がつまずくポイント」が、私の価値観やライフスタイルとは決定的に噛み合っているからです。

理由1:「週5日の拘束時間」と「強制的な人間関係」は、会社員である限り消えない

どれほど資産が増えて肩の力が抜けようとも、会社員という契約を結んでいる以上、決して避けられないコストが2つあります。それが「平日の時間の拘束」と「組織特有の人間関係」です。

たとえ業務のプレッシャーが軽くなったとしても、平日の日中という人生の黄金時間を、自分の意志とは関係なく会社の都合に差し出し続けなければなりません。また、先ほども触れた通り、私がFIREを目指す最大の動機の一つは「会社の強制的な人間関係からの完全な離脱」です。組織に所属している限り、気の合わない人とのやり取りや、社内調整、会議での不要な忖度といった精神的摩擦はゼロにはなりません。

「少し気楽になったからといって、この先も何十年と人間関係のコストと拘束時間を支払い続けるのか?」

そう自問自答したとき、私の答えは明確に「NO」でした。人生の有限な時間を100%自分の采配下に置き、誰と関わり、誰と関わらないかを完全に自分で選べる環境こそが、私にとって何物にも代えがたい「自由」そのものだからです。

理由2:インドア派×自立した生活力があれば「退職後の暇と孤独」は怖くない

FIRE後に「やることがなくて暇だ」「社会から切り離されて孤独だ」と後悔する人たちの多くは、無意識のうちに会社という組織に「アイデンティティ」や「承認欲求」「他者との交流」を依存していたタイプだと思います。

しかし、私の場合は根本的な気質が全く異なります。私は元々、実家のクーラーが効いた部屋で一人お気に入りのゲームに没頭し、自分のペースで暮らすインドア生活に、この上ない幸福と充実感を覚えるタイプです。

誰かから評価されたいという強い承認欲求もなければ、会社という看板に自分の存在価値を求めてもいません。平日の昼間に世間がどう動いていようと、自分の世界で淡々と好きなことに時間を使える人間にとって、「膨大な暇」は苦痛ではなく、むしろ喉から手が出るほど欲しい「最高の贅沢」なのです。

理由3:出口戦略(二刀流×キャッシュバッファ)による「取り崩し恐怖」の克服

「毎月の給料が消えて、資産を取り崩しながら生活するのが精神的に耐えられない」という問題についても、私はすでに対策を完了しています。

退職後に資産減少の恐怖でパニックになるのは、資産形成期と同じ「インデックスファンドの買付」しか知らず、相場下落時に泣く泣く大切な保有口数を手動で売却しなければならないからです。

しかし、私が実践しているのは「全世界株式(オルカン)」を主軸にしつつ、配当金を自動で受け取る「高配当株」を組み合わせた「二刀流戦略」です。売却ボタンを押さなくても定期的に口座にお金が振り込まれるキャッシュフローがあり、さらに暴落時に資産を取り崩さずに生活できる「数年分の生活防衛資金」を確保する出口戦略をすでに設計しています。

「減っていく通帳を見て震える」という罠は、事前に強固な資金計画を立てておくことで論理的に無力化できると考えています。

まとめ:会社員のメリットを使い倒し、堂々と5,000万円のゴールへ

世間では「資産数千万円でFI会社員として生きるのが最強」という意見もあれば、「早期退職して孤独や暇に苦しむくらいなら会社員のままでいろ」という警鐘も鳴らされています。

それらの意見はどれも一理ありますし、実際に資産2,600万円を持った今でも、私はまだ「明日嫌なら辞めてやる」という無敵の境地には至っていません。会社員としての気遣いや責任、日々の業務の重たさは依然として背中にのしかかっています。

しかし、だからこそ私は途中で立ち止まることなく、「会社員という立場を最大限に利用しながら、最初の目標である5,000万円の完全FIREまで駆け抜ける」と心に決めています。

幸いなことに、今の私には会社から毎月確実に振り込まれる安定給与があり、手厚い社会保険と社会的な信用があります。まだ「辞める自由」は手に入っていませんが、この「入金力という最強の武器」を使い倒してオルカンを買い増し、複利の雪だるまを加速させる環境としては、会社員ほど効率的な仕組みはありません。

資産形成の途中で「会社員のままでもいいのでは?」と迷ったり、退職後のリアルに不安を覚えたりするのは、それだけ経済的な選択肢が手元に増えてきた証拠です。

その選択肢を持てたこと自体を前進として受け止めつつ、私はこれからも他人の価値観や世間のノイズに流されず、自分の理想とする「静かで自由なインドア生活」を手に入れるために、淡々と5,000万円への歩みを進めていきます。

皆さんも、自分が本当に手に入れたい自由は何なのかを常に見据えながら、心地よいペースで資産形成を続けていきましょう!

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